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トップページ » 技術コラム » プレス金型のストリッパープレートとは?精度が金型寿命を左右する理由
2026.05.19
プレス金型は数多くの部品で構成されています。その中でも「ストリッパープレート」は、金型の精度や寿命に大きく影響を与える重要な部品です。名前は聞いたことがあっても、役割や加工精度がどれほど製品に影響を与えるのか、深く意識する機会は少ないかもしれません。本記事では、ストリッパープレートの役割や種類、そして高精度に加工する必要性について解説し、最後に当社での取り組みをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ストリッパープレートとは、プレス加工の際にパンチに付着した製品やスクラップを押し外すプレートのことです。その名の通り、パンチから「はぎ取る(strip)」ことが役割で、金型上ではパンチと製品の間に配置されています。 一見シンプルな部品に思えますが、実は加工精度や金型寿命を左右する“要”の存在です。
用途や加工方法に応じて、ストリッパープレートにはいくつかの種類があります。以下ではよく用いられる2種類についてご紹介します。
固定ストリッパーは、下型のダイプレートにノックピンで位置決めしてボルトで取り付けます。基本的には材料の引きはがしのみを目的としたシンプルな構造です。製品精度がラフなものに対してコストを抑える目的で適用したり、サイズの小さい単発金型に適用したりします。デメリットとしては可動ストリッパーに比べて材料をしっかりと押さえることができないので、加工時、引きはがし時に材料の変形が生じる可能性がある点が挙げられます。また、材料が通る部分がトンネルとなるため、材料通し時に材料が見えず作業性が悪いという面もあります。
上型にストリッパーボルトを使用して取り付け、ばね荷重で稼働させます。可動ストリッパープレートにはストリッパープレート本来の「材料を引きはがす」という役割に加えて、以下の3つの役割(メリット)があります。1:被加工材の固定可動ストリッパープレートの場合、上型が降りてきて一番に被加工材に接触するのがストリッパープレートです。そのため打ち抜く前に材料を押さえつけることができます。2:パンチ先端のガイド上記でも述べたように、まず一番に材料に接触するのがストリッパープレートです。ストリッパープレートに開いているパンチ用の穴を通り、パンチがダイに降りていきます。この構造を用いて、ストリッパープレートにパンチ刃先位置のガイドの役割を持たせることがあります。ストリッパープレートにガイドの役割を持たせるのは、同プレートは一番被加工材に近い位置でパンチ位置をガイドすることが可能だからです。パンチガイドの役割を持たせる場合には、パンチとストリッパープレートとのクリアランスはパンチとダイのクリアランスよりも狭く設定されます。
3:製品の平坦度確保可動式のストリッパープレートは、抜き位置以外の全面を押さえつけることができます。そのため、打ち抜き時の材料の引き込みを防ぐことができ、結果として平坦度が確保できます。このようなメリットがある一方、設計面・加工面については、材料ガイドや下型のダイプレート上に設置されている部品の逃げを設ける必要があるので、形状が複雑になり、コストが上がるというデメリットもあります。
可動ストリッパープレートは単なる“押さえ板”ではなく、穴位置精度や平面度が金型全体の精度に直結する部品です。そのためプレートに以下のような問題があると次のようなトラブルが発生しやすくなります。
つまり、ストリッパープレートの精度確保は「金型寿命=生産効率」に直結する投資と言えます。
ストリッパープレートの精度を出すには、通常の機械加工だけでは不十分です。以下のような加工に対応できる設備や作業者が不可欠です。・ワイヤー放電加工による高精度な穴加工・ジグ研削盤とその微調整ができるベテラン加工者・超精密平面研削盤によるμm単位の仕上げこうした工程を組み合わせることで、±2µmレベルの精度が実現できます。
ストリッパープレートは「ただ製品を押し外す板」ではなく、金型の寿命・不良率・生産効率を左右する重要部品です。南雲製作所ではジグ研削盤による高精度な穴加工や、超精密平面研削盤によるプレート研磨で高精度なストリッパープレートの加工を可能にしています。プレート加工の外注依頼をご検討中の方は、ぜひ当社にご相談ください。
営業部 山﨑
2001年 南雲製作所入社。8年間の設備設計を経て、その後営業として活動。15年以上の営業歴の中で様々な課題を抱えるお客様をご担当させていただく。2023年から南雲製作所公式サイト上で「技術コラム」やダウンロードコンテンツを発信している。
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