金型屋のつぶやき
2023年6月12日入れ子とは?メリット・デメリットについて解説! プレス金型
金型の「入れ子」という言葉、金型業界に携わる方は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
聞いたことはあるけどよくわからない、実際どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しくわからない、そんな方も多いかと思います。
入れ子構造の金型を適切な場面で活用すれば多くのメリットを享受することができます。
しかしながら、わざわざお金をかけて入れ子構造にする必要がない場合もあります。
このコラムではどのような場合に入れ子構造が採用されるのか、メリット・デメリットの観点から詳しくご紹介します。
【目次】
1.金型の入れ子とは
2.入れ子構造にするメリット
3.入れ子構造にするデメリット
4.入れ子構造は大量生産の際に採用!
1.金型の入れ子構造とは
入れ子とは、金型の歩留まり・金型の加工性・不良防止のために一部分だけ取替可能な別部品を指します。
主にパンチとダイを入れ子にします。
2.入れ子構造にするメリット
入れ子構造にするメリットは以下の主に3つです。
①メンテナンスは入れ子の再研磨のみでOK!
一体式の金型の場合、メンテナンスの際にはプレートごと再研磨する必要があります。一方、入れ子式の場合は、入れ子のみのメンテナンスで済みます。
また、入れ子を再研磨してもプレートの厚みは変わらないのでダイハイトを変動させずに済みます。
②入れ子のみ材質を変えることができる
パンチやダイは直接加工にかかわる部分であるため激しく摩耗します。入れ子式にすることで、パンチ・ダイのみに超硬などの耐摩耗性の高い材質を使うことが可能となり、金型の寿命の向上・コストダウン(※)につながります。
(※)一体式の場合、耐摩耗性を向上させようとすると全体に超硬材などを用いなくてはならずコスト高となる。
③金型の加工性の向上(主に凸形状)
金型のプレートに直接パンチ形状を作りこもうとすると、切削箇所が大量に発生し、歩留まりが大変悪く、加工効率が悪くなります。この問題も入れ子式にすることで解決します。
3.入れ子構造にするデメリット
デメリットとしては以下のような点が挙げられます。
・少量生産には向かない。
入れ子構造のメリットとして、入れ子のみの再研磨でよいという点を挙げました。しかし、そもそもメンテナンスが必要になるほど使い込む予定がないのであれば、入れ子式にする必要がないと判断する場合もあります。その場合は一体式にして金型費用を抑えるということも考えられます。
4.入れ子構造の金型は大量生産で採用!
今回は、プレス金型の「入れ子」とそのメリット・デメリットについて解説しました。
大量に生産する場合に入れ子式を採用することでより多くのメリットを享受できます。
入れ子を有効に活用して、より生産性も高く品質も良い加工を目指しましょう。
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