技術コラム
Column
トップページ » 技術コラム » 金型寿命はどれくらい?メンテナンス頻度は?精密プレス金型
2023.06.13
●精密プレス金型っていったいどれくらい使い続けられるんだろう…?●再研磨サイクルってなんだ?そんな疑問をお持ちの方も多いかと思います。何もせずにただ使い続けてしまえばプレス金型の寿命はすぐにやってきますが、適切なタイミングで適切にメンテナンスを施せば金型の寿命を延ばすことができます。本コラムでは、・金型の寿命とはどのようなことを指すのか・そのような要因が金型の寿命を左右するのか・金型の寿命はどのように見極めるのかなどを解説します。それでは見ていきましょう!
青文字をクリックすると用語集をご覧いただけます。
目次
精密なプレス金型は通常、不具合が生じたらすぐに処分するというわけではなく、メンテナンスをして使い続けます。メンテナンスで再研磨してから生産して、次のメンテナンスまでの期間を「再研磨サイクル」と呼びます。パンチやダイが再研磨によって消耗し、交換が必要になるのが部品寿命です。また金型を構成するプレートが反ってしまったり、ひずみが生じたりと、再研磨や部品交換をしても元に戻らなくなった状態がプレス金型の寿命となります。
②以降の要因も大きく関わりますが、例えば単発金型の場合(切れ刃の素材:超硬、被加工材:42アロイ、t=0.2㎜を想定すると)、約100万ショットくらいでメンテナンスが必要になると言われています。ショット数が多いほど再研磨サイクルや寿命は短くなります。
プレス金型の切れ刃(パンチ・ダイ)の材質によっても再研磨サイクルや寿命は大きく異なります。例えば、一般的にSKD11材に比べて超硬材は10倍長持ちすると言われています。
被加工材が硬いものや分厚いものだと再研磨サイクルや寿命は短くなります。
コーティング処理を施すことで表面がより滑らかになり摩耗スピードを遅らせることができます。DLC(Diamond Like Coating)などが用いられます。
プレス金型の組立精度は寿命に大きく影響します。組立精度が確保できている状態とは、1点1点の部品の軸心精度が確保できている状態を指します。
プレス機自体が上下で平行になっていないこともプレス金型短寿命の原因なります。C型プレスよりもストレートサイドプレスの方が口開きせず寿命に及ぼす影響は小さいです。
プレートが反ってしまったり、変形・歪みが出たりしたらプレス金型の金型の寿命が来たと言えるでしょう。また、ガイドポストやガイドブッシュが摩耗により機能しなくなった場合も寿命なので、金型の再製作を検討しましょう。
今回は「精密プレス金型の寿命」について解説しました。基本的な金型の構造や材料を変えることはできなくても、使用するプレス機の精度をしっかり出すことで、再研磨サイクルや寿命の延長が実現できます。また、金型の組立精度を確保することによっても再研磨サイクルや寿命の延長が可能になることをご紹介しました。南雲製作所の金型は組立精度を確保することで、再研磨サイクルや金型寿命の長期化を実現。それにより、ランニングコストの削減に貢献することが可能です。
プレス金型の設計製作でお困りの際には下記ボタンよりお気軽にご相談ください。
NEW
MOLD SHOP TECHNICAL CENTER.COM
コラムコンテンツや実際の事例、お客様の声を掲載しています。
CONTACT
精密プレス金型の設計製作に関してお困りの際にはお気軽にご相談ください。
受付時間:8:10〜17:10 定休日:土日