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トップページ » 技術コラム » 精密プレス金型 高精度プレートの役割や重要性とは?
2025.03.25
皆さんはプレス金型がどのような部品で構成されているか、ご存じでしょうか?プレス金型は多種多様な部品が組み合わさってできていますが、その中でも代表的なパーツは「プレート」です。 本コラムでは、精密プレス金型における「プレート」とは一体どのような部品なのか、そしてプレート加工の大まかな流れや、高精度プレートの重要性についてご紹介いたします。
目次
プレス金型においてプレートは、被加工材を押さえつけたり、金型の剛性を確保したり、様々な用途で使われます。
上の図の場合、①~⑧がプレートに区分されます。各プレートの役割については、下記コラムをご参照ください。
初心者必見!プレス金型とは?プレス金型の種類や構造、各部品の役割 – 精密プレス金型の南雲製作所
①~⑧の中で、いくつか主要プレートをご紹介します。
■パンチプレート(③)
パンチの位置関係と垂直を保持するためのプレートです。
■ストリッパープレート(⑤)
被加工材を押さえつけ、被加工材のズレや変形を防ぎ、パンチに食いついた材料を引きはがすためのプレートです。また、パンチを正確な位置に案内するガイドの役目もあり、製品精度を安定させ、パンチとダイの接触を防止します。
■ダイプレート(⑥)
入れ子型の場合は、ダイ入れ子を挿入するためのプレートです。一体型の場合は、ダイ入れ子とダイプレートは一体のものとなります。
本章では、プレス金型に使われる高精度プレートがどのような工程を経て加工されるのか、その一例をご紹介します。今回は以下のようなプレートを作る場合の大まかな加工の流れを見ていきます。
まずは、マシニングセンタという機械で加工を行います。
この工程内で行う加工としては、主に下記の2つが挙げられます。
・穴(タップ、ザグリなど)や溝、掘り込みなどの粗加工
・ワイヤーの下穴加工(後にワイヤー加工を行う場合)
このようなマシニングでの加工は、粗加工と言われることもあります。
焼入れとは、金属などの素材を加熱することを指します。これにより、材料の硬度を挙げることができます。そのため、図面に焼入れ指示や、硬度(HRCなど)の指定がある場合に通る工程となります。
焼入れ後の材料には上のイラストのように、少し黒ずみが見られます。
焼入れ後には、平面研削の工程を通ります。平面研削盤という加工機を用います。
黒ずんだ焼き上がり面の研磨の他、基準面を正確な位置寸法に仕上げます。
この時点でプレートの基準面の精度を確保し、その後のさらに高精度な加工においても十分に精度が出せるような状態にしておきます。
続いてはワイヤー放電加工です。ワイヤー放電加工は、複雑な形状や面粗度の厳しい箇所を加工することができます。
MCで加工した下穴に電気を流したワイヤーを通し、材料をカットします。ただし、ワイヤーを繋いでの加工になるため、貫通していない穴や形状は加工できません。
加えて、電気を通さない材質(セラミックなど)も、ワイヤー加工不可となるので、注意が必要です。
ちなみにワイヤー放電加工機には、水ワイヤー、油ワイヤーの2つのタイプがあります。下記にそれぞれの特徴をまとめました。
水ワイヤー、油ワイヤーどちらを使用するかについては、プレートの加工精度や製品の材質を考慮して判断します。
ジグ研削工程では砥石のついた工具を用いて、穴の内部を加工します。
高精度な丸穴(ポスト穴、ブッシュ穴といった基準穴など)の仕上げをする工程になります。
図面にある指示箇所や表面(主に上下面)を仕上げ研磨し、プレートの面粗度や平坦度を確保します。
加工の途中で発生したバリの除去や、細部のミガキ等の最終仕上げを行います。
寸法が公差内に収まっているかどうか、測定器を用いて最終確認を行います。
上記の工程は一例ですが、精密プレス金型の高精度プレートはこのような複数の工程を経て製作されています。
高精度プレートがどのような工程を通って製作されているか簡単にご紹介しましたが、そもそもプレートを高精度に仕上げないとどのような問題が起こりうるのか、ここでは3つの懸念点を解説します。
プレートの精度が確保できていない場合、パンチとダイの隙間(クリアランス)が不均一になります。クリアランスが均一でないと、パンチの寄り等により摩耗するリスクが高くなります。
先に述べたようにプレートの精度が出ていないとクリアランスが不均一になり、バリの発生を誘発するだけではなく、バリの大きさ等に偏りが生じる場合があります。
プレートに高精度な部品を組み込む際にプレートの精度が確保できていないと、シム調整等にかなりの時間を要してしまいます。それにより、その後の工程にも大きく影響する可能性があります。
上記3つの懸念を解消するためにも、プレートは高精度に仕上げる必要があると言えます。高精度プレートは、パンチやダイの長寿命化、バリの抑制、組立調整の時短など、多くのメリットに繋がります。
最後までご覧いただきありがとうございます。精密プレス金型におけるプレートの加工手順やプレートを高精度に仕上げることの重要性ついてご理解いただけていましたら幸いです。
●パンチ・ダイの交換頻度を減らしたい!
●バリの発生を抑えたい!
●組立調整の時間を削減したい!
このようなお悩みはプレートの精度が適切かどうか、今一度見直すことで解決できるかもしれません。
南雲製作所は、金型メーカーならではの豊富な設備を活かし、±2/1000mm(±2μm)の精度のプレート加工にも対応可能な体制を整えております。
高精度プレートをはじめとした精密金型部品に関してお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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