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トップページ » 技術コラム » 1社購買、近隣メーカーのみの購買、リスクかもしれません。
2023.10.11
昨今では新型コロナウイルスの流行やウクライナでの戦争、物価の急激な上昇などビジネスにも大きく影響を及ぼす出来事が頻発しています。また、日本は災害も多く、近い将来首都直下地震、南海トラフ地震が起こるなどとも言われています。金型業界の話をすれば、多くのお客様から「既存の取引先の廃業で困っている」といったことを伺います。このような中で金型調達ができなくなるといったリスクを回避するにはどうしたらいいのか。今回のコラムではBCP対策についてご紹介し、どのような場所、能力を持った金型メーカーを探すべきなのかについて解説します。
目次
BCPとはBusiness Continuity Planの頭文字をとったもので日本語では「事業継続計画」と訳されます。大規模自然災害やテロ、感染症の流行などの不測の事態にもビジネスが通常通りに継続できるようにするための具体的な計画です。ちなみに似た概念としてBCMが挙げられますが、BCMというのはBusiness Continuity Managementの頭文字をとったもので日本語では「事業継続マネジメント」と訳されます。これは先ほど述べたような不測の事態に備えてビジネス上の被害を最小限に抑えるための包括的なマネジメントを指します。BCMはBCPを包括する概念です。
「近隣のメーカーに金型製作を依頼している」「1社購買になっている」お客様にお話を伺うと上記のようなことも珍しくありません。それぞれの場合のリスクを考えてみます。
【近隣のメーカーに金型製作を依頼している】近隣のメーカーで金型を製作することのメリットとしては何かトラブルや故障が発生した場合に迅速な対応が可能といった点でしょう。しかしもしその地域で大規模な災害が発生した場合には、近隣のどのこのメーカーでも製作ができないといった事態に陥りかねません。そこで別の地域にも取引先の幅を広げておくことでもしもに備えることができます。
【1社購買になっている】精度面で1社が優れているのでその1社のみで対応しているなんてこともあるかもしれません。しかし万が一その1社が対応できない状況になった場合、その影響につられて自社も生産できなくなってしまう可能性があります。
また、BCPからは外れてしまいますが、価格や納期についてもその1社が提示しているものを受け入れるしかありません。他社から見積りをとってみたら既存メーカーが実はとても高額だった…なんてことも。そこで取引先を複数社に増やすことにより、生産できない、ほしい時に金型が手に入らないといったリスクや適正価格で購入できないといったリスクを回避できるのです。
それではBCP対策を考えた際にいったいどのような金型メーカーを選択すればよいのでしょうか。ぜひ下記を参考に協力先を探してみてください。①隣県ではなく少し距離がある②技術力があり、対応力もある③廃業の心配がない
これは2.でも述べたように近隣での製作によるリスクを回避するためです。
例えば1社購買のリスクを回避する際に技術力がない取引先を2社目に選んでしまっては、結局当初の1社に頼りきりになってしまって、BCP対策が形骸化してしまいます。また、どんなに技術力があっても社内のキャパが小さく、肝心な時に対応してもらえないようでは意味がありません。
折角リスクを回避するために少し離れたところに技術力があるメーカーと取引を開始したにもかかわらず廃業してしまえばこれも意味がなくなってしまいます。ある程度の従業員数や資金力のあるメーカーをBCP対策の取引先として選定することをおすすめします。
いかがだったでしょうか。昨今ではこれまで考えられなかったような不測の事態がいつ生じても不思議ではない時代になりました。金型が調達できず、生産がストップしてしまえば状況は厳しいものとなります。そうなる前に備えておくことが重要です。南雲製作所については下記ボタンからチェック!
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